電験三種 H26年 理論 問12 問題と解説

 問 題     

半導体のpn接合を利用した素子に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. ダイオードにp形が負、n形が正となる電圧を加えたとき、p形、n形それぞれの領域の少数キャリヤに対しては、順電圧と考えられるので、この少数キャリヤが移動することによって、極めてわずかな電流が流れる。
  2. pn接合をもつ半導体を用いた太陽電池では、そのpn接合部に光を照射すると、電子と正孔が発生し、それらがpn接合部で分けられ電子がn形、正孔がp形のそれぞれの電極に集まる。その結果、起電力が生じる。
  3. 発光ダイオードのpn接合領域に順電圧を加えると、pn接合領域でキャリヤの再結合が起こる。再結合によって、そのエネルギーに相当する波長の光が接合部付近から放出される。
  4. 定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)はダイオードにみられる順電圧・電流特性の急激な降伏現象を利用したものである。
  5. 空乏層の静電容量が、逆電圧によって変化する性質を利用したダイオードを可変容量ダイオード又はバラクタダイオードという。逆電圧の大きさを小さくしていくと、静電容量は大きくなる。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)は、文字通り電圧を一定に保つことを目的として使われるダイオードです。これは順電圧をかけている間は通常のダイオードと同じような挙動を示しますが、一定以上の逆電圧をかけたときに電流の急激な降伏現象が起こり、そうすることで電圧を一定に保とうとします。

よって、「順電圧」が誤りで、正しくは「逆電圧」となります。

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