電験三種 H25年 理論 問3 問題と解説

 問 題     

磁界及び磁束に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 1[m]当たりの巻数がNの無限に長いソレノイドに電流I[A]を流すと、ソレノイドの内部には磁界H=NI[A/m]が生じる。磁界の大きさは、ソレノイドの寸法や内部に存在する物質の種類に影響されない。
  2. 均一磁界中において、磁界の方向と直角に置かれた直線上導体に直流電流を流すと、導体には電流の大きさに比例した力が働く。
  3. 2本の平行な直線状導体に反対向きの電流を流すと、導体には導体間距離の2乗に反比例した反発力が働く。
  4. フレミングの左手の法則では、親指の向きが導体に働く力の向きを示す。
  5. 磁気回路において、透磁率は電気回路の導電率に、磁束は電気回路の電流にそれぞれ対応する。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

(1)は正しいです。ソレノイドとは、螺旋状に巻いてあるようなコイルのことです。ソレノイド内部の磁界の大きさは、ソレノイドの寸法や内部に存在する物質の種類に影響されず、以下の式で表されます。

  • H:磁界 [A/m]
  • n:1mあたりの巻き数 [m-1]
  • I:電流 [A]

(2)も正しいです。下図のように、磁束密度B[T]の磁界中をその向きに対して直角に電流I[A]が流れているとします。導体の長さ(正確には、磁界の中に置かれている長さ)をl[m](電流のアイではなく、長さのエル)とすると、電磁力の大きさは次のように表すことができます。

以上から、電磁力Fは電流の大きさIに比例します。また、上記の電流I、磁界B、電磁力Fはフレミングの左手の法則に従います。

  • 中指:電流Iの向き
  • 人差し指:磁界Bの向き
  • 親指:電磁力Fの向き

(3)が誤りです。平行な直線状導体に反対向きの電流を流すと反発力が働くというのは正しいですが、「導体間距離の2乗に反比例した」という部分が間違いです。正しくは、「導体間距離に反比例した」となります。

この場合に働く反発力の式は以下の通りです。

  • F:反発力 [N]
  • μ:透磁率 [H/m]
  • I:電流 [A]
  • l:導線の長さ [m]
  • d:導体間距離 [m]

(4)は正しいです。これについては(2)で解説した通りです。

(5)も正しいです。電気回路と磁気回路では、それぞれ対応したパラメータが存在します。主要な具体例を以下に列挙します。

  • 電気回路 - 磁気回路
  • 電気抵抗 - 磁気抵抗
  • 起電力  - 起磁力
  • 電流   - 磁束
  • 導電率  - 透磁率

以上から、正解は(3)となります。

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