電験三種 H25年 電力 問17 問題と解説

 問 題     

図に示すように、定格電圧66[kV]の電源から送電線と三相変圧器を介して、二次側に遮断機が接続された系統を考える。

三相変圧器の電気的特性は、定格容量20[MV・A]、一次側線間電圧66[kV]、二次側線間電圧6.6[kV]、自己容量基準での百分率リアクタンス15.0[%]である。一方、送電線から電源側をみた電気的特性は、基準容量100[MV・A]の百分率インピーダンスが5.0[%]である。

このとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

ただし、百分率インピーダンスの抵抗分は無視するものとする。

(a) 基準容量を10[MV・A]としたとき、変圧器の二次側から電源側をみた百分率リアクタンス[%]の値として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 2.0
  2. 8.0
  3. 12.5
  4. 15.5
  5. 20.0

(b) 図のAで三相短絡事故が発生したとき、事故電流[kA]の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし、変圧器の二次側からAまでのインピーダンス及び負荷は、無視するものとする。

  1. 4.4
  2. 6.0
  3. 7.0
  4. 11
  5. 44

 

 

 

 

 

正解 (a)-(2), (b)-(4)

 解 説    

(a)

設問では百分率リアクタンスが問われていますが、問題文に「百分率インピーダンスの抵抗分は無視する」とあるので、この問題では%リアクタンスも%インピーダンスも同じものと考えることができます。また、問われているのは基準容量が10[MV・A]ですが、問題文では送電線も変圧器も基準容量が違っているので、これを10[MV・A]に合わせる必要があります。

送電線の%インピーダンスを10[MV・A]基準で考えると、以下のようになります。

変圧器の%インピーダンスを10[MV・A]基準で考えると、以下のようになります。

よって、変圧器の二次側から電圧側をみた%インピーダンス(=%リアクタンス)は、

となります。

(b)

事故電流(短絡電流)が問われていますが、短絡電流は%Zと定格電流から求めることができます。

  • I:定格電流[A]
  • Is:短絡電流[A]

(a)で基準容量10[MV・A]のときの%Zが8.0[%]とわかっているので、今回はこの値を利用して計算を進めていこうと思います。

定格電流は、基準容量10[MV・A]から、次のように計算できます。

よって、(1)、(2)式から、事故電流(短絡電流)がわかります。

コメント