問 題
図に示すように、定格電圧66[kV]の電源から送電線と三相変圧器を介して、二次側に遮断機が接続された系統を考える。
三相変圧器の電気的特性は、定格容量20[MV・A]、一次側線間電圧66[kV]、二次側線間電圧6.6[kV]、自己容量基準での百分率リアクタンス15.0[%]である。一方、送電線から電源側をみた電気的特性は、基準容量100[MV・A]の百分率インピーダンスが5.0[%]である。
このとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし、百分率インピーダンスの抵抗分は無視するものとする。
(a) 基準容量を10[MV・A]としたとき、変圧器の二次側から電源側をみた百分率リアクタンス[%]の値として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 2.0
- 8.0
- 12.5
- 15.5
- 20.0
(b) 図のAで三相短絡事故が発生したとき、事故電流[kA]の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし、変圧器の二次側からAまでのインピーダンス及び負荷は、無視するものとする。
- 4.4
- 6.0
- 7.0
- 11
- 44
解 説
(a)
設問では百分率リアクタンスが問われていますが、問題文に「百分率インピーダンスの抵抗分は無視する」とあるので、この問題では%リアクタンスも%インピーダンスも同じものと考えることができます。また、問われているのは基準容量が10[MV・A]ですが、問題文では送電線も変圧器も基準容量が違っているので、これを10[MV・A]に合わせる必要があります。
送電線の%インピーダンスを10[MV・A]基準で考えると、以下のようになります。
変圧器の%インピーダンスを10[MV・A]基準で考えると、以下のようになります。
よって、変圧器の二次側から電圧側をみた%インピーダンス(=%リアクタンス)は、
となります。
(b)
事故電流(短絡電流)が問われていますが、短絡電流は%Zと定格電流から求めることができます。
- I:定格電流[A]
- Is:短絡電流[A]
(a)で基準容量10[MV・A]のときの%Zが8.0[%]とわかっているので、今回はこの値を利用して計算を進めていこうと思います。
定格電流は、基準容量10[MV・A]から、次のように計算できます。
よって、(1)、(2)式から、事故電流(短絡電流)がわかります。
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