電験三種 H25年 電力 問12 問題と解説

 問 題     

次の文章は、配電線の保護方式に関する記述である。

高圧配電線路に短絡故障又は地絡故障が発生すると、配電用変電所に設置された( ア )により故障を検出して、遮断器にて送電を停止する。

この際、配電線路に設置された区分用開閉器は( イ )する。その後に配電用変電所からの送電を再開すると、配電線路に設置された区分用開閉器は電源側からの送電を検出し、一定時間後に動作する。その結果、電源側から順番に区分用開閉器は( ウ )される。

また、配電線路の故障が継続している場合は、故障区間直前の区分用開閉器が動作した直後に、配電用変電所に設置された( ア )により故障を検出して、遮断器にて送電を再度停止する。

この送電再開から送電を再度停止するまでの時間を計測することにより、配電線路の故障区間を判別することができ、この方式は( エ )と呼ばれている。

例えば、区分用開閉器の動作時限が7秒の場合、配電用変電所にて送電を再開した後、22秒前後に故障検出により送電を再度停止したときは、図の配電線の( オ )の区間が故障区間であると判断される。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    (ア)    (イ)  (ウ)    (エ)   (オ)

  1. 保護継電器  開放  投入  区間順送方式  c
  2. 避雷器    開放  投入  時限順送方式  d
  3. 保護継電器  開放  投入  時限順送方式  d
  4. 避雷器    投入  開放  区間順送方式  c
  5. 保護継電器  投入  開放  区間順送方式  c

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

短絡故障や地絡故障による異常電流から保護するためには保護継電器を用いるので、( ア )には「保護継電器」が入ります。避雷器は雷による一時的な異常高電圧から保護するためのものです。

( イ )には「開放」、( ウ )には「投入」が入ります。一旦、全ての区分用開閉器を開放して電気を流さないようにし、その後、上流から順々に通電させます(開閉器を投入します)。そうすることで、故障区間がどこかを調べることができます。

( エ )は、問題文に「送電再開から送電を再度停止するまでの時間を計測することにより」とありますが、このように時間の経過から故障箇所を割り出すような方法を、「時限順送方式」といいます。

( オ )については、問題文の「動作時限が7秒」と「22秒前後に故障検出」という部分から考えます。まず、配電用変電所で送電を開始したときがスタートなので、図中左側の「×」マークのところが0秒と考えることができます。

その後、aとbの間にある「○」マークに到達するのが7秒後、bとcの間にある「○」マークに到達するのが14秒後、cとdの間にある「○」マークに到達するのが21秒後、dの右側にある「○」マークに到達するのが28秒後となります。よって、22秒はd地点ということがわかります。

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