問 題
次の文章は、電動機の運転に関する記述である。
交流電源-整流器-平滑用コンデンサ-インバータで構成される回路によって電動機を駆動する場合、( ア )の大きな負荷を減速するときには、電動機からインバータに電力が流れ込む。
このとき直流電圧が上昇するので、( イ )とパワー半導体デバイスとの直列回路を平滑用コンデンサと並列に設け、パワー半導体デバイスをスイッチングして電流を調整することによって、電動機からの電力を消費させることができる。この方法を一般に( ウ )制動と呼んでいる。
一方、電力を消費するのではなく、逆変換できる整流器を介して交流電源に電力を戻し、他の用途などに有効に使うこともできる。この方法を一般に( エ )制動と呼んでいる。
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(ア) (イ) (ウ) (エ)
- 慣性モーメント 抵抗 発電 回生
- 慣性モーメント 抵抗 降圧 発電
- 摩擦係数 抵抗 降圧 発電
- 慣性モーメント リアクトル 発電 回生
- 摩擦係数 リアクトル 降圧 回生
解 説
慣性モーメントというのは、回転体がその回転速度を維持し続けようとする性質(=慣性)の大きさを表すパラメータです。
慣性モーメントが大きい場合、電動機を減速しようとして電源から送る電力を減らす一方で、電動機の回転体はまだかなりの回転速度で回り続けるため、結果として逆方向に(電動機からインバータへ)電力が流れ込むことになります。よって、( ア )は「慣性モーメント」が適切です。
問題文の2段落目は上昇した直流電圧を下げるため、何かしらの方法を使って電力を消費させたい、という話です。( イ )の候補である「抵抗」と「リアクトル」のうち、電力を消費できるのは「抵抗」のみです。このような制動方法を「発電制動」と呼びます。これが( ウ )に入ります。
そうすると( エ )には「発電」が入らないので、「回生」が正しいということになります。回生とは、「回して生かす」という字の通り、余ったエネルギーを電力に変換して何かほかのところで有効利用する、という意味です。
( ウ )の「発電制動」よりも( エ )の「回生制動」のほうがわかりやすければ、( ア )、( イ )、( エ )を答えて正解の選択肢を選んでもいいかもしれません。
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