電路の対地電圧の制限

感電や火災を防止するため、屋内電路の対地電圧には制限があります。

基本的には対地電圧は150V以下であることが求められますが、一定条件下ではそれ以上でも可能です。その条件というのが、住宅の屋内電路、住宅以外の屋内電路、白熱電灯に電気を供給する電路のそれぞれで違ってきますので、この項では、これらについて紹介していきます。

住宅の屋内電路の対地電圧

上記の通り、住宅の屋内電路の対地電圧は、基本的には150V以下にしなければいけません。

ただし、定格消費電力が2kW以上の電気機械器具やこれに電気を供給する屋内配線を以下の全てを満たすように施設する場合は、対地電圧が150Vを超えることが許されます。

  • 屋内配線は、当該電気機械器具のみに電気を供給するものであること。
  • 電気機械器具の使用電圧及びこれに電気を供給する屋内配線の対地電圧は、300V以下であること。
  • 屋内配線には、簡易接触防護措置を施すこと。
  • 電気機械器具には、簡易接触防護措置を施すこと(絶縁性のある材料で堅ろうに作られたものor絶縁性のものの上でのみ取り扱う場合はこの条件は除外できます)。
  • 電気機械器具は、屋内配線と直接接続して施設すること。
  • 電気機械器具に電気を供給する電路には、専用の開閉器及び過電流遮断器を施設すること。
  • 電気機械器具に電気を供給する電路には、電路に地絡が生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。

住宅以外の屋内電路の対地電圧

住宅以外の場所の屋内に施設する家庭用電気機械器具に電気を供給する屋内電路の対地電圧も、やはり150V以下です。

ただし、家庭用電気機械器具やこれに電気を供給する屋内配線、これに施設する配線器具を、次の全てを満たすように施設する場合、対地電圧を300V以下まで上げることができます。

  • 電気機械器具の使用電圧及びこれに電気を供給する屋内配線の対地電圧は、300V以下であること。
  • 屋内配線には、簡易接触防護措置を施すこと(部外者が立ち入らない場所なら、措置不要)。
  • 電気機械器具には、簡易接触防護措置を施すこと(絶縁性のある材料で堅ろうに作られたものor絶縁性のものの上でのみ取り扱う場合or部外者が立ち入らない場所の場合、この条件は除外できます)。
  • 電気機械器具は、屋内配線と直接接続して施設すること。

白熱電灯に電気を供給する電路の対地電圧

白熱電灯に電気を供給する電路の対地電圧も同じく、150V以下が原則です。

ただし、住宅以外の場所において、以下の条件を全て満たすように白熱電灯を施設する場合は、300V以下とすることができます。

  • 白熱電灯及びこれに附属する電線には、接触防護措置を施すこと。
  • 白熱電灯は、屋内配線と直接接続して施設すること。
  • 白熱電灯の電球受口は、キーその他の点滅機構のないものであること。

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