架空送電線の塩害対策

この項では、送電線の塩害対策について解説します。塩害とは、潮風やちりによる送電線への悪影響のことです。

具体的には、がいし表面に塩分等の導電性物質が付着した場合、漏れ電流の発生により、可聴雑音や電波障害が発生する場合があります。

また、台風などにより、がいし表面に塩分が急速に付着することで、がいしの絶縁が低下して漏れ電流の増加やフラッシオーバが生じ、送電線故障を引き起こすこともあります。

これらの塩害対策には、以下の4つが挙げられます。

  1. がいしの増結
  2. がいしの洗浄
  3. 撥水性コンパウンドの塗布
  4. ルートの選定

がいしの増結

がいしの連結個数を増やすと絶縁性能が上がります。これを過絶縁といいます。これは塩じん害の対策として用いられる最もポピュラーな方法です。

なお、がいしを連結するのは直列接続とします。目的が絶縁性能を強化することなので、抵抗が大きくなるように直列接続にする必要があります。

がいしの洗浄

がいしを洗浄して塩分を除去することで塩じん害を抑えます。特に通電したまま洗浄することを、活線洗浄と呼びます。

撥水性コンパウンドの塗布

がいしの表面に撥水性コンパウンド(シリコンコンパウンド)を塗布することで、塩じん害から保護します。

ルートの選定

そもそもの話になりますが、送電線を通すルートを塩じん害の少ない場所にする方法です。

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