前項では原子炉の構成要素を個々に説明しました。この項では、原子炉の種類について解説します。
原子炉の種類は、核燃料は何を使うか、減速材は何を使うか、などで決まってきます。まず初めに、主だった原子炉の名称を以下に示します。
- 沸騰水型原子力発電所(BWR:Boiling Water Reactor)
- 加圧水型原子力発電所(PWR:Pressurized Water Reactor)
- ガス冷却型原子力発電所(GCR:Gas Cooled Reactor)
- 新型転換炉(ATR:Advanced Thermal Reactor)
- 高速増殖炉(FBR:Fast Breeder Reactor)
各々の具体的な内容については、次のページ以降で解説していきますが、この中で特に重要なのは、軽水炉と呼ばれる「沸騰水型原子力発電所」と「加圧水型原子力発電所」、そして「高速増殖炉」の3つです。大雑把にその特徴をまとめると、以下の表のようになります。
上表をみるとわかるように、原子炉はまず「熱中性子炉」と「高速中性子炉」に大別されます。減速材を使うのが熱中性子炉で、このタイプがほとんどです。一方、中性子を減速させないタイプの原子炉を高速中性子炉といい、これは「高速増殖炉」だけが該当します。
熱中性子炉のうち、減速材(兼反射材)と冷却材に軽水を用いるものを「軽水炉」といい、さらに「沸騰水型原子力発電所」と「加圧水型原子力発電所」に分類できます。日本で使われているのは、ほとんどが2種の軽水炉のどちらかです。また、減速材が黒鉛なら「ガス冷却型原子力発電所」、重水なら「新型転換炉」となります。
それでは、次のページでは、「沸騰水型原子力発電所」と「加圧水型原子力発電所」を紹介します。そのまた次のページでは、それ以外の原子力発電所を紹介します。
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