電験三種 H27年 電力 問11 問題と解説

 問 題     

次の文章は、地中配電線路の得失に関する記述である。

地中配電線路は、架空配電線路と比較して、( ア )が良くなる、台風等の自然災害発生時において( イ )による事故が少ない等の利点がある。

一方で、架空配電線路と比較して、地中配電線路は高額の建設費用を必要とするほか、掘削工事を要することから需要増加に対する( ウ )が容易ではなく、またケーブルの対地静電容量による( エ )の影響が大きい等の欠点がある。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    (ア)     (イ)     (ウ)     (エ)

  1. 都市の景観  他物接触   設備増強  フェランチ効果
  2. 都市の景観  操業者過失  保護協調  フェランチ効果
  3. 需要率    他物接触   保護協調  電圧降下
  4. 都市の景観  他物接触   設備増強  電圧降下
  5. 需要率    操業者過失  設備増強  フェランチ効果

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

地中配電線路を採用する大きなメリットは、景観が保たれることと、天気の影響を受けないことです。

前者について、電線によって空が狭く感じたり、美しくなくなったりするのを避けることができます。

後者について、架空送電線だと大雨や大風、雷雨などによって停電や断線の恐れがありますが、ケーブルが地下に埋まっていれば、その心配はありません。同様に、電線にビニールが引っ掛かって停電したり、人が電線に触れて感電したりするようなことも、地中送電線では基本的にありません。

よって、( ア )には「都市の景観」が、( イ )には「他物接触」が入ります。

反対に、地中配電線路を採用するデメリットとしては、建設費が高いこと、故障の発見が遅れる可能性があること、事故の復旧や設備の増強の際に時間や手間が掛かることなどが挙げられます。

ケーブルが地下に埋まっているため、場合によっては故障に気づけないことがあり、また、事故の復旧や設備増強の際には、どうしても地上で行うのに比べて作業性が悪くなってしまいます。

よって、( ウ )には「設備増強」が入ります。

また、長距離のケーブルを用いたとき、ケーブルの対地静電容量が大きいと、ケーブルに進み電流が流れて、受電端電圧のほうが送電端電圧よりも高くなってしまうことがあります。

この現象を「フェランチ効果」というので、これが( エ )に入ります。

コメント