問 題
「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧屋側電線路(高圧引込線の屋側部分を除く。)の施設に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 展開した場所に施設した。
- 電線はケーブルとした。
- 屋外であることから、ケーブルを地表上2.3mの高さに、かつ、人が通る場所から手を伸ばしても触れることのない範囲に施設した。
- ケーブルを造営材の側面に沿って被覆を損傷しないよう垂直に取付け、その支持点間の距離を6m以下とした。
- ケーブルを収める防護装置の金属製部分にA種接地工事を施した。
正解 (3)
解 説
選択肢(3)に該当するのは、「電気設備技術基準の解釈」第1条です。この項の条文は以下の通りとなります(抜粋)。
接触防護措置 次のいずれかに適合するように施設することをいう。
- 設備を、屋内にあっては床上2.3m以上、屋外にあっては地表上2.5m以上の高さに、かつ、人が通る場所から手を伸ばしても触れることのない範囲に施設すること。
- 設備に人が接近又は接触しないよう、さく、へい等を設け、又は設備を金属管に収める等の防護措置を施すこと。
簡易接触防護措置 次のいずれかに適合するように施設することをいう。
- 設備を、屋内にあっては床上1.8m以上、屋外にあっては地表上2m以上の高さに、かつ、人が通る場所から容易に触れることのない範囲に施設すること。
- 設備に人が接近又は接触しないよう、さく、へい等を設け、又は設備を金属管に収める等の防護措置を施すこと。
本問とは直接関係ありませんが、上記を読んでもわかる通り、接触防護措置と簡易接触防護措置では、屋内・屋外ともに0.5m分の差があります。これは、接触防護措置のほうがより厳格に接触しない措置としているためです。実際、日本語部分も「手を伸ばしても触れることのない」と「容易に触れることのない」というように表現が異なっています。
よって、(3)の「2.3m」が誤りで、正しくは「2.5m」となります。微妙な数値の違いに思えますが、過去には数値が穴埋めになった問題(H26年 問7)も出題されているため、正確に覚えておく必要があります。
また、選択肢(1)、(2)、(4)、(5)に該当するのは、「電気設備技術基準の解釈」第111条(高圧屋側電線路の施設)です。この項の条文は以下の通りとなります(抜粋、一部改変)。
高圧屋側電線路は、次の各号により施設すること。
- 展開した場所に施設すること。
- 第145条第2項(メタルラス張り等の木造造営物における施設)の規定に準じて施設すること。
- 電線は、ケーブルであること。
- ケーブルには、接触防護措置を施すこと。
- ケーブルを造営材の側面又は下面に沿って取り付ける場合は、ケーブルの支持点間の距離を2m(垂直に取り付ける場合は、6m)以下とし、かつ、その被覆を損傷しないように取り付けること。
- ケーブルをちょう架用線にちょう架して施設する場合は、第67条(低高圧架空電線路の架空ケーブルによる施設)の規定に準じて施設するとともに、電線が高圧屋側電線路を施設する造営材に接触しないように施設すること。
- 管その他のケーブルを収める防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱及びケーブルの被覆に使用する金属体には、これらのものの防食措置を施した部分及び大地との間の電気抵抗値が10Ω以下である部分を除き、A種接地工事(接触防護措置を施す場合は、D種接地工事)を施すこと。
今回の場合、選択肢(1)が条文の1、(2)が条文の3、(4)が条文の5、(5)が条文の7に対応します。こちらも覚えるのは大変かもしれませんが、たまに出題されることがあるので(H26年 問9)、余裕があれば押さえておきたい内容です。
以上から、正解は(3)となります。
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