問 題
次の文章は、「電気設備技術基準」におけるサイバーセキュリティの確保に関する記述である。
電気工作物(一般送配電事業、送電事業、配電事業、特定送配電事業又は( ア )の用に供するものに限る。)の運転を管理する( イ )は、当該電気工作物が人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれ及び( ウ )又は配電事業に係る電気の供給に著しい支障を及ぼすおそれがないよう、サイバーセキュリティ(サイバーセキュリティ基本法(平成26年法律第104号)第2条に規定するサイバーセキュリティをいう。)を確保しなければならない。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- ア イ ウ
- 発電事業 電子計算機 一般送配電事業
- 小売電気事業 制御装置 電気使用場所
- 小売電気事業 電子計算機 一般送配電事業
- 発電事業 制御装置 電気使用場所
- 小売電気事業 電子計算機 電気使用場所
解 説
サイバーセキュリティに関する出題は珍しいので、本問の条文を暗記している受験者は少ないと思います。そのため、選択肢を当てはめながら妥当かどうか検証するという方法で解説をします。
( ア )に関して、設問の文章全体で言いたいことは、「特に重要な電気工作物に対しては、サイバーセキュリティをしっかり確保しましょう」というような内容です。
ここで、特に重要な電気工作物として挙げられているのが、( ア )を含む( )内に書かれています。具体的には送電事業や配電事業などで、どれも生活基盤として欠かせないものです。
では、同じように生活基盤として欠かせないものとして適当なのは「発電事業」か「小売電気事業」かということを考えると、発電ができないと送電・配電系統が生きていても意味がないので、発電のほうが重要だと判断できます。
よって、( ア )には「発電事業」が入ります。
( イ )は「電子計算機」を入れるのが正しいですが、ここに「制御装置」を入れても話として矛盾しなさそうなので、これは判断が難しいです。本問では( ア )と( ウ )から正解が一つに絞れるため、( イ )はスルーしても構わないと思います。
( ウ )について、「( ウ )又は配電事業に係る電気の供給」とあることから、( ウ )は電気の供給に関連したものであることがわかります。
選択肢のうち、「一般送配電事業」は電気の供給に、「電気使用場所」は電気の需要(消費)に関係するので、( ウ )に入れるのは「一般送配電事業」が適切であると判断できます。
以上から、( ア )に「発電事業」、( ウ )に「一般送配電事業」が入る選択肢は(1)だけなので、( イ )には「電子計算機」が入ることになり、正解は(1)となります。
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