ビル管理士試験 2019年 問101 問題と解説

 問 題     

建築物の防災対策等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 高層ビルの回転式の扉は、内外気温差で生じる出入口での強風を減じる効果がある。
  2. 超高層ビルの足元にあるサンクンガーデンは、ビル風対策としても効果がある。
  3. Jアラートは、緊急の気象関係情報、有事関係情報を国から住民等に伝達するシステムである。
  4. エレベータには、地震時に直ちに避難階へ直行させる地震管制モードが備わっている。
  5. 集中豪雨時に浸水しやすい地下街、地下階への浸水対策として、止水板、土嚢(どのう)が用いられる。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

(4)について、地震のときに作動する地震管制モードでは、「直ちに避難階へ直行」するのではなく、「最寄り階で自動停止」します。

というのも、地震のときにはエレベータに乗っている人が閉じ込められないように、どの階でも構わないのでいち早く到着できる階で停止し、ドアを開けて中の人が脱出できるようにすることが重要だからです。

一方、火災のときに作動する火災管制モードでは、(4)にあるように直ちに避難階へ直行します。火災の場合は、火災が起こっている階や避難するのに向かない構造の階で停止してしまうと被害が拡大してしまいます。

そのため、自動で避難階へ向かい、そこで停止した上でドアが開くようになっています。

以上から、正解は(4)となります。

また、(2)のサンクンガーデンとは、半地下の庭のことです。沈床庭園という言い方もあります。交通緩和や地下室での採光のために作られることもありますが、防災対策としては高層ビルのビル風を和らげる効果があります。

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