問 題
建築物の荷重又は構造力学に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 床の構造計算をする場合の積載荷重は、地震力を計算する場合の積載荷重より大きく設定されている。
- 土圧や水圧は、常時荷重に分類されている。
- 反力は、建築物に荷重が作用した場合、作用荷重に対応して支点に生じる力である。
- せん断力は、部材内の任意の面に作用して、面をずれさせるように作用する力である。
- 等分布荷重の作用する片持支持梁(はり)のせん断力は、梁中央で最も大きい。
正解 (5)
解 説
せん断力は、(4)にある通り、部材内の任意の面に作用して、面をずれさせるように作用する力のことです。
(5)にある片持支持梁というのは、以下の図のように1本の支点から横向きに梁が出ているような構造で、梁の片側のみで支えています。
ここで、この片持支持梁に等分布荷重をかける(梁全体に同じ程度の重りを載せる)と、せん断力は梁の支持部で最も大きくなり、支持部からの距離が離れるほど小さくなっていき、先端では0となります。
支持部では梁自身の重さを支えなくてはならない上に、荷重の負荷も掛かっているので、せん断力が大きくなります。
また、(この問題の条件とは違いますが)等分布荷重ではなくて先端のみに荷重を掛けた際には、せん断力はどの箇所でも一定となります。つまり、支持部でも中央でも先端でも同じせん断力となります。
以上から、(5)の「梁中央で最も大きい」が誤りで、正しくは「支持部で最も大きい」となります。
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