ビル管理士試験 2019年 問3 問題と解説

 問 題     

建築物衛生法に基づく特定建築物の延べ面積に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 地下街の地下道は、延べ面積に算入しない。
  2. 公共駐車場は、延べ面積に算入しない。
  3. 事務所内の事務所用倉庫は、延べ面積に算入しない。
  4. 共同住宅は、延べ面積に算入しない。
  5. 診療所は、延べ面積に算入しない。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

特定建築物の延べ面積というのは、以下の面積の合計です。

  • 専ら特定用途に供される部分 (特定用途そのものの面積)
  • 付随する部分の面積 (例:トイレ、廊下、階段、洗面所など)
  • 付属する部分の面積 (例:百貨店の倉庫、映画館のロビー、事務所附属の駐車場など)

以上を踏まえて、選択肢を見ていきます。

(1)について、建築基準法では、地下道はそもそも「建築物」とされません。特定かどうか以前の問題です。よって、これは延べ面積には含めません。

(2)について、まず、駐車場は特定用途に該当しません。また、公共駐車場のように駐車場そのものが独立した目的で使われる場合や、独立棟の駐車場のように別の場所にある場合には、付随や付属としても扱われません。よって、今回の場合は延べ面積に含めません。

ただし、駐車そのものが目的となる「公共駐車場」ではなく、「事務所附属の駐車場」のような場合には、同じ建物内にある限りは事務所の用途に包含されていると見なされ、付属する部分の面積に含めることになります。

(3)の事務所内の事務所用倉庫は、上記に示した「付属する部分」に該当するため、これは延べ面積に含めます。よって、(3)の記述が誤りなので、これが正解となります。

(4)の共同住宅は特定建築物に当たりません。よって、延べ面積として数えません。特定建築物になる施設/ならない施設については主な施設をある程度覚えておくことをお勧めします。

特定建築物に該当するものには、事務所、店舗、旅館、図書館、美術館、博物館、興行場、遊技場、学校、集会場などがあります。

特定建築物に該当しないものには、病院、工場、寄宿舎、自然科学研究所、共同住宅、駐車場、寺院、体育館などがあります。

(5)の診療所は(4)で解説した「特定建築物に該当しないもの」の中の「病院」と同様です。よって、これも延べ面積には数えません。

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