ビル管理士試験 2019年 問2 問題と解説

 問 題     

建築物における衛生的環境の確保に関する法律(以下「建築物衛生法」という。)に基づく特定建築物の用途に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 百貨店は、大規模小売店舗立地法に規定する大規模小売店舗をいう。
  2. 興行場は、興行場法に規定する興行場に限らない。
  3. 図書館は、図書館法に規定する図書館に限らない。
  4. 博物館は、博物館法に規定する博物館に限らない。
  5. 旅館は、旅館業法に規定する旅館業を営むための施設をいう。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢にある百貨店、興行場、図書館、博物館、旅館はいずれも特定建築物となります。

…という知識は重要事項ですが、ここでは特定建築物になる範囲と各種の法律で定義している範囲が同じかどうかという点が問われています。出題頻度からいえばマイナーな知識といえるので、この問題は捨て問題にしてしまっても構わないと思います。

一応、正解を示しておくと、(2)の興行場に関して、特定建築物になる興行場と興行場法に規定される興行場は全く同じ範囲なので、(2)の記述が誤りとなり、これが正解です。

ちなみに、興行場とは「映画、演劇、音楽、スポーツ、演芸又は観せ物を、公衆に見せ、又は聞かせる施設」のことです。

また、(3)の図書館と(4)の博物館については特定建築物になる範囲と各種の法律で定義している範囲が異なっています。

図書館に関していえば、国立図書館や学校図書館、専門図書館などは図書館法の適用範囲外です。しかし、これらも建築物衛生法の特定建築物の対象にはなります。

一方の博物館に関して、博物館は登録制度をとっています。博物館法に基づいて登録を受けた場合には、補助金をもらえるといったメリットがある代わりに、博物館法の対象となるために守らなければならない基準なども出てきます。

よって、登録制度を利用しない博物館も多く、その場合には博物館法の対象とはなりませんが、それでも建築物衛生法の特定建築物にはなります。

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