ビル管理士試験 H30年 問151 問題と解説

 問 題     

清掃作業に使用する洗剤に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

  1. 洗剤の助剤は、界面活性剤の表面張力を高めて洗浄力を向上させる。
  2. アルカリ性の洗剤は、尿石や水垢(あか)等の除去に有効である。
  3. アルカリ性の剥離剤は、清掃作業者の皮膚をおかす恐れがある。
  4. 樹脂床維持剤の皮膜手入れ用の表面洗剤は、よく泡立つように作られている。
  5. 洗剤は、高濃度で使用するほうがよい。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

(1)について、助剤の役割は界面活性剤の表面張力を下げることです。これによって、汚れが床などに吸着している力を弱め、床などから汚れをはがすことが可能となります。

(2)で、尿石や水垢(あか)には鉄やカルシウムなどの金属塩類が多く含まれています。これらは酸性洗剤によって溶かすことができます。よって、アルカリ性洗剤ではなく、酸性洗剤を用いたほうが効果的です。

(3)は正しい文章です。皮膚の表面は弱酸性なので、アルカリ性の剥離剤が皮膚にかかると中和反応が起きて、皮膚がおかされてしまいます。

(4)で、樹脂床維持剤の皮膜手入れ用の表面洗剤の役割は、皮膜(ワックス)自体は傷めたり汚したりせずに、表面に付いた汚れだけを除去することです。

表面洗剤を泡立ててしまったら、表面だけでなく皮膜部分にまで影響を及ぼしてしまうため、不都合です。よって、皮膜手入れ用の表面洗剤は、あまり泡が立たないように作られています。

(5)は体感的にもわかると思いますが、洗剤には洗浄効果が出やすい適正な濃度域があります。極端に濃度が薄いよりはある程度濃いほうが効き目が出ますが、だからといって思いっきり濃いものを使ったところで、それで効果が上がるどころか、むしろ逆効果です。

コメント