ビル管理士試験 H30年 問24 問題と解説

 問 題     

熱中症の記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。

  1. 熱失神は、頭頸部が直射日光などにさらされたことにより末梢血管の拡張を生じることによって起こる。
  2. 熱射病では、体温調節中枢の機能に障害を来し、自力での体温調節ができず体温が急激に上昇する。
  3. 熱疲労は、多量の発汗により体内の水分や塩分が不足することに加え、全身的な循環不全による重要諸臓器の機能低下によって起こる。
  4. 熱けいれんは、過剰な発汗により血液中の塩分が濃縮されることによって起こる。
  5. 熱射病の治療は、全身の冷却が第一であるが冷やし過ぎには十分に注意する。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

(4)にあるように血液中の塩分が濃縮されれば「高ナトリウム血症」になりますが、熱けいれんは「低ナトリウム血症」によって生じる筋肉のけいれんです。

体内の水分や塩分が発汗によって失われたあと、水だけを摂取するとだんだんと体内の塩分濃度が薄まっていきます。すると、低ナトリウム血症になって熱けいれんを起こすリスクが高まります。

水分だけではなく、塩分を含んでいる水分(スポーツドリンクなど)を摂ることが、熱けいれんを回避することにつながります。

以上から、(4)の記述が誤りです。

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