ビル管理士試験 H29年 問175 問題と解説

 問 題     

殺虫剤やその剤型に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

  1. フェノトリンを有効成分とするゴキブリ用の食毒剤がある。
  2. フェニトロチオンを有効成分とするマイクロカプセル(MC)剤がある。
  3. 炭酸ガス製剤は、有機溶剤に溶かした有効成分を液化炭酸ガスにより噴射する製剤である。
  4. フィプロニルを有効成分とする樹脂蒸散剤がある。
  5. エトフェンプロックスは、カーバメート系殺虫剤である。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

この問題はややマニアックな知識が問われているため、個人的には捨て問題として扱っても構わないと思います。

(1)で、フェノトリンはピレスロイドの一種です。よって、これは食毒剤としてではなく、ゴキブリを物陰から追い出す効果(フラッシング効果)と、ノックダウン(仰転)させる効果があります。食毒剤の代表例としては、ホウ酸やヒドラメチルノンなどが挙げられます。

(3)について、炭酸ガス製剤は、有効成分を直接液化炭酸ガスに溶解させ、ガスボンベに高圧で封入したものです。(3)の記述のように、最初に有効成分を有機溶剤に溶解させることはありません。

(4)で、樹脂蒸散剤は、密閉性が保たれている空間の成虫防除に効果を発揮する薬剤で、チョウバエ類対策などに使われます。具体的な成分としては、ジクロルボスなどが挙げられます。

(4)にあるフィプロニルはゴキブリなどの毒餌として用いられることはあります(ただしホウ酸やヒドラメチルノンのほうが頻出です)が、樹脂蒸散剤には使えません。

(5)で、エトフェンプロックスは「カーバメート系殺虫剤」ではなく、「ピレスロイド系殺虫剤」に分類されます。

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