ビル管理士試験 H29年 問102解説

 問 題     

建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 建築基準法は、建築物の意匠・装飾についての設計指針を定めている。
  2. 建築基準法は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する望ましい基準を定めている。
  3. 建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならないとしている。
  4. 建築物に関する法令規定のうち、建築物自体の安全、防火、避難、衛生等に関する技術的基準を定めた規定の総称を集団規定という。
  5. 建築基準法は、建築物の工事管理を行う技術者の資格を定めている。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

(1)に関して、建築基準法は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めています。意匠や装飾といったデザイン面に関しては特段の規制をしていないので、これは誤りの記述です。

(2)も(1)の解説から判断できますが、「望ましい基準」といった努力目標を謳っているわけではなく、「最低の基準」という明確な線引きをしています。よって、これも不適切な記述です。

(3)は正しい記述で、ポイントは「常時適法」です。初めに建築物を建てるときに気をつければ良いのではなく、建ったあとも維持保全をしっかりと行う必要があります。

(4)は「集団規定」ではなく「単体規定」です。問題文にある「建築物自体」の「自体」という言葉から、単体規定だと判断できます。

また、集団規定は、その建築物と都市との関係を規定しています。たとえば高さ制限や容積率などは、その建築物そのものというよりも都市(周りの建物)のことを考慮して定められている規定です。

(5)は微妙なひっかけ問題のような気もしますが、これは「工事管理」であって「工事監理」でない点に注意してください。

工事監理者は、工事の監督業務(工事が設計通りに進んでいるか確認する、など)を行う立場で、これは一定の条件を満たす建築士がなるように建築基準法で定められています。実際にはその建物の設計者が工事監理者になる場合が多いです。

一方、工事管理は、工事そのものの現場作業の管理ということになります。これにも責任者はいるのが普通ですが(たとえば現場監督という役職)、特に建築基準法ではそのような定めはありません。

また、現場作業の責任者なので、工程管理や安全管理はできるとしても、図面や設計の専門家というわけではありません。

よって、(5)も誤りですが、この問題は消去法ではなく、(3)が正しい記述であるとしっかり判断できたほうがよいと思います。

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