ビル管理士試験 H29年 問86 問題と解説

 問 題     

音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 線音源からの音圧レベルは、音源からの距離が10倍になれば約20dB減衰する。
  2. 騒音は、人の聴覚の周波数特性で補正したA特性音圧レベルで測定・評価される。
  3. 時間によって変動する騒音は、等価騒音レベルによって評価される。
  4. 音圧レベルは、人間の感覚量に対応するよう定義された尺度で、人間の最小可聴値の音圧2×10-5Paを基準として定義される。
  5. 音速は、空気の温度が1℃上昇するごとに約0.6m/s速くなる。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

(1)に関して、音源からの距離が2倍や10倍になったときの音圧レベルの減衰する度合いは、知識として知っておくと便利です。点音源、線音源、面音源でそれぞれ減衰の度合いが以下のように異なります。

  • 点音源:距離2倍で約6dB減衰、距離10倍で約20dB減衰
  • 線音源:距離2倍で約3dB減衰、距離10倍で約10dB減衰
  • 面音源:距離によらず、ほぼ減衰なし

これは知識として押さえておけば便利ですが、もし導出の根拠を覚えておきたい場合はH25問題86の解説を参照してください。

よって、(1)の「約20dB」が誤りで、ここは「約10dB」となります。

また、この問題は(2)と(5)の知識も重要なので、併せて確認しておいてください。

(2)に関して、A特性音圧レベルは、人の聴覚の周波数特性を考慮して騒音を評価するものです。一方、何の補正もせずに音圧レベルを測定したそのままの結果が、C特性音圧レベルです。B特性もありますが、これはマイナーなので気にしなくて大丈夫です。

(5)について、音速は秒速340mと覚えている方も多いと思いますが、正確には温度によって音速は変化します。気温0℃で音速は331.5m/s(この数字を覚える必要はありません)で、1℃上がるごとに約0.6m/sほど早くなります。逆に1℃下がるごとに約0.6m/sほど音速は遅くなります。

コメント