ビル管理士試験 H29年 問17 問題と解説

 問 題     

興行場法に関するア~オの記述のうち、誤っているものの組合せは次のどれか。

  1. 興行場とは、映画、演劇、音楽、スポーツ、演芸又は観せ物を、公衆に見せ、又は聞かせる施設をいう。
  2. 業として興行場を経営しようとする者は、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては、市長又は区長。)に届け出なければならない。
  3. 興行場営業を営む者は、興行場について、換気、照明、防湿及び清潔その他入場者の衛生に必要な措置を講じなければならない。
  4. 入場者の衛生に必要な措置の基準については、厚生労働省令によって定められている。
  5. 入場者は、興行場において、場内を著しく不潔にし、その他公衆衛生に害を及ぼす虞(おそれ)のある行為をしてはならない。
  1. アとイ
  2. アとウ
  3. イとエ
  4. ウとオ
  5. エとオ

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

イについて、結論を先に書けば、興行場は届出を出すだけでは駄目で、許可を受ける必要があります。

経営を始めようと思ったときに届出を出せばよいだけの施設と、許可を受けなければいけない施設があります。この問題の趣旨からは少し離れますが、重要事項なので以下にまとめておきます。

  • 許可が必要:飲食店、興行場、旅館、公衆浴場
  • 届出が必要:理容所、美容所、クリーニング店

ちなみに、許可を受けるのも届出を出すのも、その相手は問題文にある通り、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては、市長又は区長)です。

ウは正しい記述ですが、同様の出題で、旅館業法と公衆浴場法のパターンもあります。それぞれ、規定されている項目が微妙に違うので、以下を注意深く確認してください。

  • 旅館業法 :換気、採光、照明、防湿、清潔その他宿泊者の衛生
  • 興行場法 :換気、照明、防湿、清潔その他入場者の衛生
  • 公衆浴場法:換気、採光、照明、保温、清潔その他入浴者の衛生及び風紀

エで、「入場者の衛生に必要な措置」についてはウの記述にあるように、これを講じなければならない、とは興行場法に書かれていますが、具体的な基準については定めがありません。基準については、各都道府県が条例でそれぞれ定めています。

以上より、イとエが誤りなので、(3)が正解です。

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