ビル管理士試験 H29年 問16 問題と解説

 問 題     

下水道法の第1条に規定する目的に関する次の条文の( )内に入る路句の組合せとして、正しいものはどれか。

この法律は、流域別下水道整備総合計画の策定に関する事項並びに公共下水道、流域下水道及び都市下水路の設置その他の管理の基準等を定めて、下水道の整備を図り、もって( ア )及び公衆衛生の向上に寄与し、あわせて公共用水域の( イ )に資することを目的とする。

       ア          イ

  1. 国民の生命、財産の保護   水質の保全
  2. 国民の生命、財産の保護   環境の保護
  3. 生活排水対策の実施の推進  水質の保全
  4. 生活排水対策の実施の推進  環境の保護
  5. 都市の健全な発達      水質の保全

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

この問題は下水道法の第1条の条文からの出題ですが、どの法律でも第1条には目的が書かれていて、最も重要な条文であるといえます。そのため、今回のように法律の条文が問題になるときは、第1条(目的)が出題されることが圧倒的に多いです。

よって、ビル管理士に関連する法律の第1条はなるべく正確に押さえておくことが望ましいです。

下水道法の第1条の条文は以下の通りです。

この法律は、流域別下水道整備総合計画の策定に関する事項並びに公共下水道、流域下水道及び都市下水路の設置その他の管理の基準等を定めて、下水道の整備を図り、もつて都市の健全な発達及び公衆衛生の向上に寄与し、あわせて公共用水域の水質の保全に資することを目的とする。

よって、正解は(5)となりますが、もし条文を暗記していなくても、ある程度推測しながら解くこともできます。

まず、( ア )について、下水道を整備したからといって国民の財産の保護につながるのは言い過ぎだと感じるので、選択肢(1)や(2)は除外できます。

また、文章の流れからいって、「下水道の整備」→「( ア )」&「公衆衛生の向上」となっています。つまり、( ア )は「公衆衛生の向上」と並列な関係にあるはずです。

ここで「生活排水対策の実施の推進」を入れてしまうと、「公衆衛生の向上」と並列ではなく、「下水道の整備」と同義のように感じられます。つまり、「下水道の整備」&「下水道の整備」→「公衆衛生の向上」といった構図になってしまいます。

一方で、( ア )に「都市の健全な発達」を入れれば、「下水道の整備」→「都市の健全な発達」&「公衆衛生の向上」という関係が成り立つので、選択肢(5)が正しいだろうと推測できます。

また、( イ )には「水質の保全」か「環境の保護」が入り、どちらを入れても明確な誤りではなさそうです。ただし、これは下水道に特化した法律なので、より限定的な「水質の保全」のほうがふさわしいと考えられます。

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