問 題
殺虫剤やその剤型に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- ピリプロキシフェンは、幼虫の脱皮を阻害する表皮形成阻害剤である。
- 有効成分をポリアミンなどで被覆し、増量剤を加えた製剤を乳剤と呼ぶ。
- ピレスロイド剤は、物陰にいる虫を開放された場所に飛び出させるフラッシング効果を示す。
- 有機リン剤は、ピレスロイド剤に比べてノックダウンした虫が蘇生する傾向が強い。
- フェニトロチオンは、非対称型有機リン剤である。
正解 (3)
解 説
(1)について、ピリプロキシフェンは幼若ホルモンとして作用することで、蛹化や成虫化を阻害します。幼虫の脱皮を阻害するのは、ジフルベンズロンなどのキチン合成阻害剤です。
(2)の説明は「乳剤」ではなく、「マイクロカプセル化剤」の説明です。乳剤は、水に溶けにくい成分に対して界面活性剤や乳化剤を用いて、水で薄めたときに均一に分散・安定化するように調製された製剤です。
(4)で、有機リン剤は神経伝達物質(アセチルコリン)の分解酵素を阻害し、体内のアセチルコリンを過剰にさせる作用があります。急性毒性が強いため、蘇生する確率もあまり高くはありません。一方、ピレスロイド剤は蘇生する傾向が強いです。
(5)で、フェニトロチオンは、対称型有機リン剤です。
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