ビル管理士試験 H23年 問48 問題と解説

 問 題     

湿り空気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 絶対湿度が一定の状態で、温度が低下すると相対湿度は上昇する。
  2. 絶対湿度が同じ湿り空気では、温度が低下すると比エンタルピーは低下する。
  3. 乾球温度が等しい湿り空気において、絶対湿度が上昇すると、水蒸気圧は上昇する。
  4. 絶対湿度が低下すると、露点温度は低下する。
  5. 比エンタルピーが等しい湿り空気において、温度が高い湿り空気の絶対湿度は、温度が低い湿り空気の絶対湿度より高い。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

(5)について、「比エンタルピーが等しい湿り空気において」の部分は深く考えなくても大丈夫です。余計な他条件は同じで、単純に温度が高いか低いかだけの違いに着目すればいい、というために載せてある文言です。

絶対湿度の単位は[kg/kg]で、乾燥空気1kg中にある水蒸気量を表します。もしくは、単位が[kg/m3]で、乾燥空気1m3中にある水蒸気量を表す場合もあります。今回のように問題文にどちらを使うべきか明記されていない場合は、どちらで考えても差し支えありませんが、後者のほうが考えやすいと思います。

(5)の条件では、温度が高くても低くても、現状存在している水蒸気量は変化しません。しかし、温度が高ければ乾燥空気は膨張しますので、絶対湿度は低下します。逆に温度が低いと、乾燥空気の体積は減り、絶対湿度は上昇します。

よって、(5)の記述は、正しくは「温度が高い湿り空気の絶対湿度は、温度が低い湿り空気の絶対湿度より低い」です。

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