問 題
ねずみ・昆虫等の防除に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
- ネズミや害虫に対しては、薬剤処理とトラップによる対策を優先的に実施する。
- IPMにおける警戒水準とは、すぐに防除作業が必要な状況をいう。
- 生息密度調査の結果が許容水準に該当した場合、原則として6カ月以内に一度、又は発生の多い場所では、2カ月以内に一度の定期的な調査を継続する。
- チャバネゴキブリが発生している厨(ちゅう)房内の5箇所に3日間配置した粘着トラップでの捕獲数が、成虫30匹と幼虫120匹であった場合のゴキブリ指数は30である。
- ゴキブリ防除用として、医薬品や医薬部外品として承認された殺虫剤の代わりに使用できる農薬がある。
正解 (3)
解 説
(1)で、前問(問178)でも解説した通り、発生時対策よりも発生予防対策を優先的に実施するべきです。(1)の記述にある「薬剤処理とトラップによる対策」というのは発生時対策のことなので、(1)は誤りです。
(2)の説明は「警戒水準」ではなく、「措置水準」のことです。生息調査の結果として判定される水準には、以下の3つがあります。
- 許容水準:良好な状態で、このまま維持したい
- 警戒水準:現状で大した問題はないが、放っておくと問題が生じるかもしれない
- 措置水準:状況は悪く、すぐに防除作業が必要
(3)は正しい記述です。ねずみ等が発生しやすい場所では2カ月以内ごと、それ以外の場所では6カ月以内ごとが目安となります。よって、これが正解となります。
(4)で、ゴキブリ指数というのは、1トラップ1日あたりの捕獲数です。つまり、全捕獲数をトラップ数で割り、さらに日数で割った値となります。これにより、一定面積当たりの生息数を知ることができます。
よって、(4)では全捕獲数が30+120=150で、これを÷5して、さらに÷3したのがゴキブリ指数となります。つまり、今回のゴキブリ指数は10なので、(4)は誤りです。
(5)で、農薬は文字通り、農業のために用いられる薬剤です。建物の中にいるゴキブリの防除とは用途が全然異なります。
以上から、正解は(3)です。
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