ビル管理士試験 2021年 問180 問題と解説

 問 題     

衛生害虫の防除等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 作用機構の異なる殺虫剤のローテーション処理を行うことによって、殺虫剤抵抗性の発達を抑えることができる。
  2. ニューサンスコントロールとは、感染症を媒介する衛生動物の防除を指す。
  3. 吸血昆虫の中には、幼虫、成虫、雌、雄ともに吸血する種類がある。
  4. 昆虫等に対する不快感は、主観的なものである。
  5. 昆虫成長制御剤(IGR)で処理しても、成虫密度が速やかに低下することはない。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

本問の正解は(2)ですが、この文章はやや難易度の高い知識が問われています。一方で、ほかの選択肢については基本事項が多いため、消去法で正解できれば充分だと思います。

(2)に関して、ペストコントロールには、ベクターコントロールとニューサンスコントロールの二つの側面があります。それぞれの用語の説明は次の通りです。

  • ペストコントロール:害虫対策として行う防除のこと。
    ペスト(pest)とは、ネズミや害虫などの有害な生物を指します。
  • ベクターコントロール:感染症を媒介する害虫対策として行う防除のこと。
    ベクター(vector)には、「感染症を媒介する害虫」の意味があります。
  • ニューサンスコントロール:不快感をもたらす害虫対策として行う防除のこと。
    ニューサンス(nuisance)には、「生活妨害」といった意味合いがあります。

以上から、(2)の文章は「ニューサンスコントロール」ではなく、「ベクターコントロール」の説明文になっています。よって、正解は(2)です。

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