ビル管理士試験 2021年 問178 問題と解説

 問 題     

建築物衛生法に基づくねずみ・昆虫等の防除に関する次の文章の(  )内に入る語句の組合せとして、最も適当なものはどれか。

ねずみ等の防除においては、IPM(総合的有害生物管理)の理念に基づく防除を実施しなければならない。この防除においては、( ア )や( イ )、防除法の選定、( ウ )等が重要視され、防除法の選定においては、( エ )や侵入防止対策を優先的に検討する必要がある。

  •    ア        イ         ウ        エ
  1. 使用薬剤の選定  防除目標の設定  利用者の感覚的評価  発生時対策
  2. 生息密度調査   防除目標の設定  生息指数による評価  発生時対策
  3. 使用薬剤の選定  化学的対策    使用薬剤の種類    発生時対策
  4. 生息密度調査   防除目標の設定  生息指数による評価  発生予防対策
  5. 発生時対策    化学的対策    利用者の感覚的評価  発生予防対策

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

問題文を読むと、( ア )と( イ )と「防除法の選定」と( ウ )の4つが並列に並んでいて、( エ )は別の文脈として扱われています。ここで、より重要(頻出)なのは( エ )のほうなので、まずこちらから解説します。

( エ )に関して、ねずみ等の防除においては、発生予防対策がうまくいけば発生時対策をする必要がなくなるので、まずは発生予防対策を優先させます。発生予防対策では防除しきれず、侵入防止対策もうまくいかないときに初めて、発生時対策を行います。

よって、( エ )には「発生予防対策」が入ります。

続いて( ア )について、選択肢にある「発生時対策」は上記の通り重要度が低いので、すぐに除外できます。また、「使用薬剤の選定」は問題文で( ア )と並列関係にある「防除法の選定」に含まれると考えることができるので、これも除外できます。

よって、残るのは「生息密度調査」だけで、これはねずみ等の防除にあたって重要なので、( ア )には「生息密度調査」を入れるのが妥当だと判断できます。

( イ )で、選択肢にある「化学的対策」というのは薬剤の散布などのことなので、これも「防除法の選定」の一部だと考えられます。よって、( イ )に「化学的対策」を入れるのは不適であり、「防除目標の設定」を入れるほうが適切です。

( ウ )について、「使用薬剤の種類」は上記と同様の理由で不適です。

また、「利用者の感覚的評価」は参考にはなりますが、ねずみやゴキブリなど夜行性の生物も多く、利用者では気づきにくい被害もあります。そのため、トラップによる捕獲調査などを活用して「生息指数による評価」を行うことが重要となります。

よって、( ウ )には「生息指数による評価」を入れるのが適切です。

以上から、( ア )には「生息密度調査」、( イ )には「防除目標の設定」、( ウ )には「生息指数による評価」、( エ )には「発生予防対策」が入るので、正解は(4)となります。

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