ビル管理士試験 H29年 問18 問題と解説

 問 題     

廃棄物の処理及び清掃に関する法律の第1条に規定する目的に関する次の条文の( )内に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。

この法律は、廃棄物の排出を抑制し、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、( ア )等の処理をし、並びに( イ )することにより、( ウ )及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする。

   ア      イ        ウ

  1. 焼却  生活環境を清潔に  生活環境の保全
  2. 焼却  資源を有効に活用  経済の発展
  3. 焼却  良好な景観を形成  生活環境の保全
  4. 処分  生活環境を清潔に  生活環境の保全
  5. 処分  資源を有効に活用  経済の発展

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

この問題は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)の第1条の条文からの出題ですが、どの法律でも第1条には目的が書かれていて、最も重要な条文であるといえます。そのため、今回のように法律の条文が問題になるときは、第1条(目的)が出題されることが多いです。

よって、ビル管理士に関連する法律の第1条はなるべく正確に押さえておくことが望ましいです。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律の第1条の条文は以下の通りです。

この法律は、廃棄物の排出を抑制し、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする。

条文を知らない場合、( ア )の「焼却」または「処分」でいきなり悩みそうですが、「焼却」というのは文字通り廃棄物を燃やすことであるのに対し、「処分」というのはより広い言葉として使われます。

「処分」は「中間処理」と「最終処分」に分かれます。中間処理は、廃棄物を焼却や破砕、圧縮などによって減量・減容化、安定化、無害化、資源化することです。一方、最終処分は、埋立処分や海洋投入などのことです。

よって、この条文は法律の目的について広く書かれているため、( ア )には「処分」を入れるのが妥当です。

( イ )と( ウ )は比較的わかりやすいと思います。

( イ )の選択肢には「生活環境」、「資源」、「景観」がありますが、廃棄物を処理する第一目的は「生活環境」です。それは、ごみを処理しないことによって悪臭や虫の発生、伝染病の蔓延などにつながるおそれがあるからです。

もちろん、資源や景観にとってプラスになる面もありますが、これらはあくまでも生活環境を確保したあとに出てくる課題となります。

( ウ )は「生活環境」か「経済」かですが、これもこの法律の趣旨を考えると、「生活環境」に重きを置くべきだと判断できると思います。

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