ビル管理士試験 2023年 問177 問題と解説

 問 題     

媒介動物と感染症に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 国内では、アカイエカやヒトスジシマカを含む複数の種類がウエストナイルウイルスを媒介する可能性がある。
  2. 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の原因となるウイルスが媒介されるのは、主として建築物内である。
  3. マダニ類は、リケッチアやウイルスを媒介する。
  4. イエバエは、腸管出血性大腸菌感染症の伝播(でんぱ)に関与している。
  5. 動物由来感染症の対策を進める上では、ペットに対する外部寄生虫などへの対応も重要となる。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

(1)は正しいです。アカイエカやヒトスジシマカを含め、多種類の蚊がウエストナイル熱(ウエストナイルウイルス)を媒介します。

(2)が誤りです。重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を媒介する衛生害虫といえば、マダニ類です。ちなみに、マダニ類は日本紅斑熱も媒介します。

ここで、マダニ類は野山などに生息していて、近づいた野生動物やヒトに寄生して吸血します。よって、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が建築物内で媒介されることは少ないです。

(3)は正しいです。(2)の解説の通り、マダニ類は重症熱性血小板減少症候群(SFTS)や日本紅斑熱を媒介します。ここまでは重要事項です。そして、これはやや難しい知識ですが、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の病原体はウイルス、日本紅斑熱の病原体はリケッチアなので、(3)の記述の通りとなります。

(4)も正しいです。イエバエは、腸管出血性大腸菌O157などの病原体の運搬者として知られています。

(5)も正しいです。屋外に生息する衛生害虫が、散歩中のペットに寄生し、建築物内に侵入するというケースが見られます。そのため、動物由来感染症の対策を進める上では、ペットに対する外部寄生虫などへの対応が重要です。

以上から、正解は(2)となります。

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