ビル管理士試験 2023年 問176 問題と解説

 問 題     

殺鼠(さっそ)剤に関連する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 粉剤の鼠穴内部への散粉処理は、殺鼠剤を経皮的に取り込ませることを狙った処理法である。
  2. 第1世代の抗凝血性殺鼠剤は、少量ずつ連日摂取させるように配置する。
  3. クマネズミは、ドブネズミに比べて抗凝血性殺鼠剤に対する感受性が低い。
  4. ネズミの殺鼠剤抵抗性は、昆虫の殺虫剤に対する抵抗性と同様の原理により発達する。
  5. 有効成分と餌をパラフィンに混ぜて固め、水に濡(ぬ)れるような場所でも使用できる製剤がある。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

(1)が誤りです。殺鼠剤の剤型には、固形剤・粉剤・液剤がありますが、いずれも食毒剤なので、ネズミが喫食して初めて効果が出ます。よって、(1)の「経皮的に取り込ませる」という部分が誤っています。

(2)は正しいです。第1世代の抗凝血性殺鼠剤であるワルファリンやフマリンは、遅効性であるため、連日摂取させることが必要となります。一方、急性殺鼠剤の代表例としてはシリロシドが挙げられます。これなら、1回の経口摂取でネズミを致死させることができます。

(3)も正しいです。クマネズミは、警戒心が強く、毒餌やトラップに引っ掛かりにくいです。その上、毒餌(殺鼠剤)を食べたとしても比較的感受性が低いため、クマネズミの防除はなかなか困難です。

(4)も正しいです。殺鼠剤に対するネズミ類の抵抗性発達も、殺虫剤に対する昆虫の抵抗性獲得も、その原理は同じです。

(5)も正しいです。記述のとおりですが、これはあまり気にしなくていい選択肢です。

以上から、正解は(1)となります。

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