ビル管理士試験 2023年 問170 問題と解説

 問 題     

ハエ類に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. ヒメイエバエは、主に鶏舎での発生が問題となる。
  2. ニクバエ類は、卵ではなく幼虫を生む卵胎生のハエである。
  3. イエバエは、各地でピレスロイド剤に対する抵抗性を獲得している。
  4. ノミバエ類などのコバエでは、走光性を示す種類が多い。
  5. 建築物内で発生するチョウバエ類は、ヒトから吸血することがある。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

本問では各選択肢に様々なハエ類が登場しますが、(1)のヒメイエバエ、(2)のニクバエ類、(4)のノミバエ類はいずれも頻出頻度の低いハエだといえます。残る(3)と(5)の中に正解があるため、(1)、(2)、(4)の正誤は判断できなくても問題ありません。

(3)について、イエバエの主要な発生源は畜舎やゴミ処理場であり、腸管出血性大腸菌O157などの病原体の運搬者として注目されています。また、各地でピレスロイド剤に対する薬剤抵抗性を獲得している集団が報告されています。

よって、(3)は正しい記述です。

(5)について、チョウバエ類の主な発生源は、し尿浄化槽のろ床や下水管です。ひいてはトイレで発生することもあるため、便所バエなどと呼ばれることもあります。

ここで(5)を見ると「ヒトから吸血する」と書かれていますが、チョウバエを含む多くのハエは、雌雄関係なく吸血しません。この試験に出てくるハエは全て吸血しないタイプなので、「○○バエは吸血する」という旨の記述は、チョウバエに限らず誤った文章であると判断してください。

以上から、正解は(5)となります。

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