ビル管理士試験 2023年 問162 問題と解説

 問 題     

廃棄物処理法に基づく廃棄物の定義に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 事務所建築物から廃棄されたスチール机は、産業廃棄物である。
  2. スーパーマーケットから排出された紙くずは、一般廃棄物である。
  3. 事務所建築物から廃棄された木製の机は、一般廃棄物である。
  4. 店舗から廃棄された発泡スチロールは、一般廃棄物である。
  5. レストランから排出された廃天ぷら油は、産業廃棄物である。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

まず、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥など20種類が産業廃棄物として定められています。一方、産業廃棄物に該当しないものは事業系一般廃棄物となります。

20種類のうち、「燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず」などは無条件で産業廃棄物に分類されます。

上記のほか、「紙くず、木くず、繊維くず」などは、それが事業に大きく関与するなら産業廃棄物となり、事業に大きく関与するわけでもなく発生する一般的なごみについては、事業系一般廃棄物となります。

以上を踏まえて選択肢を見ていきます。

(1)のスチール机は、上記の「金属くず」なので、業種に関係なく産業廃棄物です。

(2)の紙くずは、上記の「紙くず」なので、事業に大きく関与するかどうかがポイントになります。

スーパーマーケットにとって紙くずは事業に伴って発生するわけではないので、スーパーマーケットから出る紙くずは一般廃棄物です。一方、製紙工場から出る紙くずということであれば、同じ紙くずでもこちらは産業廃棄物になります。

(3)の木製の机は、上記の「木くず」なので、(2)と同様で事業に大きく関与するかどうかがポイントになります。

事務所建築物にとって木くずは事業に伴って発生するわけではないので、事務所建築物から出る木くずは一般廃棄物です。一方、建設業から出る木くずということであれば、同じ木くずでもこちらは産業廃棄物になります。

(4)の発砲スチロールは、上記の「廃プラスチック類」なので、業種に関係なく産業廃棄物です。

(5)の廃天ぷら油は、上記の「廃油」なので、業種に関係なく産業廃棄物です。

よって、(4)の「発泡スチロールは、一般廃棄物」が誤りなので、正解は(4)となります。

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