ビル管理士試験 2023年 問161 問題と解説

 問 題     

廃棄物処理法における産業廃棄物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 建築物内の医療機関から感染のおそれのある産業廃棄物が排出される場合は、当該建築物の所有者が、特別管理産業廃棄物管理責任者を設置しなければならない。
  2. 爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に被害を生ずるおそれのある性状を有するものとして政令で定める産業廃棄物を、特別管理産業廃棄物としている。
  3. 産業廃棄物の処理は、排出事業者が、その責任において、自ら又は許可業者への委託により行う。
  4. 産業廃棄物の輸出には環境大臣の確認が必要である。
  5. 事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃えがら、汚泥、廃油等、20種類が産業廃棄物として定められている。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

(1)が誤りです。医療機関では、血液の付いたガーゼや注射針など、感染源となり得る廃棄物が発生します。これらは特別管理廃棄物に分類されるので、診療所には特別管理産業廃棄物管理責任者を置かなくてはいけません。

しかし、建築物の所有者はあくまでテナントとして場所を貸し出しているだけなので、建築物内に医療機関がある場合には、その医療機関側で特別管理産業廃棄物管理責任者を置くことになります。よって、(1)の「当該建築物の所有者」が誤りで、正しくは「当該医療機関」となります。

(2)は正しいです。特別管理産業廃棄物は、爆発性、毒性、感染性等、人の健康又は生活環境に被害を生ずるおそれのある産業廃棄物のことです。

(3)も正しいです。排出事業者が自ら処理を行う場合、処理基準に従うことが必要であり、処理業者に委託して処理を行う場合、委託基準に従うことが必要となります。

(4)も正しいですが、これは特に重要ではないため、あまり気にしなくていいと思います。

(5)も正しいです。記述の通り、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃えがら、汚泥、廃油など20種類が産業廃棄物として定められています。

以上から、正解は(1)です。

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