ビル管理士試験 2023年 問72 問題と解説

 問 題     

送風機に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 送風機は、吐出圧力の大きさに応じてファンとブロワに分類され、空気調和用の送風機はファンに属する。
  2. 遠心式送風機では、空気が軸方向から入り、軸に対して傾斜して通り抜ける。
  3. 送風系の抵抗曲線は、ダクトの形状やダンパの開度が変わると変化する。
  4. 軸流式送風機は、空気が羽根車の中を軸方向から入り、軸方向に通り抜ける。
  5. 横流式送風機は、空気が羽根車の外周の一部から入り、反対側の外周の一部へ通り抜ける。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

(1)は正しいです。吐出圧力が9.8[kPa]以上の送風機をブロワ、9.8[kPa]未満の送風機をファンと呼びます。空気調和用の送風機はそんなに大型ではないので、ファンとなります。

(2)が誤りです。遠心式送風機は、空気が羽根車の中を軸方向から入り、径方向に通り抜ける構造となります。なお、(2)の説明文は遠心式送風機ではなく、斜流式送風機の説明になっています。

送風機の種類と空気の流れる向きは以下の通りです。

  • 斜流式送風機:空気が軸方向から入り、軸に対して傾斜して通り抜ける
  • 遠心式送風機:空気が羽根車の中を軸方向から入り、径方向に通り抜ける
  • 軸流送風機 :空気が羽根車の中を軸方向から入り、軸方向に通り抜ける
  • 横流式送風機:空気が羽根車の外周の一部から入り、反対側の外周の一部へ通り抜ける

(3)は正しいです。ダクトの形状やダンパの開度が変わると、風の通りやすさ/通りにくさが変わるので、送風系の抵抗曲線も移動します。送風系の抵抗曲線についての詳しい解説は、2022年 問74の解説を参照してください。

(4)と(5)について、(2)の解説で示した通り、これらは両方とも正しい記述です。

以上から、正解は(2)となります。

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