ビル管理士試験 2023年 問22 問題と解説

 問 題     

環境衛生に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 許容濃度は一般環境の基準として用いてはならない。
  2. (公社)日本産業衛生学会は、労働者の有害物質による健康障害を予防するために許容濃度を公表している。
  3. 許容濃度以下であれば、ほとんど全ての労働者に健康上の悪い影響が見られないと判断される。
  4. 有害物の曝露(ばくろ)量と集団の反応率との関係を、量-影響関係という。
  5. 学校における環境衛生の基準は、学校保健安全法で定められている。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

(4)の説明文は「量-影響関係」ではなく「量-反応関係」のことが書かれています。

今回とは逆に、「量-反応関係」という名称で「量-影響関係」の説明文が書かれるという出題もよく見られるため、以下を参考に、これらを区別できるようにしておいてください。

  • 量-影響関係:有害物の負荷量と個体レベルにおける障害などの程度の関係
  • 量-反応関係:有害物の負荷量と集団の反応率との関係

どちらの場合も横軸には「有害物の負荷量」を取りますが、縦軸が異なります。

量-影響関係のときは、縦軸には例えば「健康影響度」といったものを使います。低いうちは軽微な影響を示し、高くなるにつれて、重篤な疾病や死亡のような影響を示すことになります。

一方、量-反応関係の縦軸は「集団の反応率」となります。全体を1としたときの割合になるので、この場合は影響の度合いは数字として現れません。反応がある/ないを判断する一定の基準を設けて、それより上か下かで分類します。

以上から、正解は(4)となります。

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