ビル管理士試験 2022年 問149 問題と解説

 問 題     

洗剤と床維持剤に関する語句の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

  1. フロアフィニッシュ  床材の保護
  2. フロアポリッシュ   床油
  3. シール剤       ポリウレタン
  4. ビルダ        汚れの再付着防止
  5. リン酸塩       富栄養化

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

(1)は正しいです。「フロアフィニッシュ」とは床維持剤と同じ意味を持つ言葉です。つまり、フロアシーラもフロアポリッシュもフロアオイルも、全てフロアフィニッシュ(床維持剤)の一種となります。よって、これは「床材の保護」と深く関係のある言葉だといえます。

(2)が誤りです。フロアポリッシュは床の保護と美観の向上の目的で使用されるものです。これは大きく、水性フロアポリッシュ、油性フロアポリッシュ、乳化性フロアポリッシュの3種類に分かれます。

  • 水性フロアポリッシュ:ろう状物質や合成樹脂を水に溶解させ乳化したもの
  • 油性フロアポリッシュ:ろう状物質、合成樹脂などの不揮発性成分を揮発性溶剤に溶解または分散させたもの
  • 乳化性フロアポリッシュ:ろう状物質、合成樹脂などの不揮発性成分と有機溶剤を水に乳化させたもの

本問とは直接関係ありませんが、上記の3分類それぞれの特徴は頻出テーマなので、区別して覚えておきたいところです。

よって、「フロアポリッシュ」と「床油」は特に関係がありません。床油はフロアオイルのことで、主に表面加工されていない木質系床材の保護のために用いられます。

(3)は正しいです。シール剤には、多くの場合ポリウレタン樹脂が使われます。ただし、これはややマイナーな知識であるため、あまり気にしなくてもいいと思います。

(4)も正しいです。合成洗剤の助剤はビルダと呼ばれ、洗浄効果を高めます。また、ビルダには汚れの再付着を防止するものがあります。

(5)も正しいです。昔は洗剤の助剤にリン酸塩が使われていましたが、リンを含んだ廃水を下水道に流すと湖沼や海での富栄養化を招くため、現在ではあまり使われなくなりました。

以上から、正解は(2)となります。

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