ビル管理士試験 2022年 問148 問題と解説

 問 題     

清掃作業に使用する洗剤に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

  1. 樹脂床維持剤の皮膜手入れ用の表面洗剤は、泡立ちやすいように作られている。
  2. 洗剤に使用する界面活性剤は、陰イオン系と陽イオン系に大別される。
  3. アルカリ性の強い洗剤は、トイレの尿石の除去に有効である。
  4. アルカリ性の強い洗剤は、清掃作業者の皮膚を侵し危険である。
  5. アルカリ性の強い洗剤は、リノリウムに付着した油汚れの除去に使用する。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

(1)は誤りです。樹脂床維持剤の皮膜手入れ用の表面洗剤の役割は、皮膜(ワックス)自体は傷めたり汚したりせずに、表面に付いた汚れだけを除去することです。

表面洗剤を泡立ててしまったら、表面だけでなく皮膜部分にまで影響を及ぼしてしまうため、不都合です。よって、皮膜手入れ用の表面洗剤は、あまり泡が立たないように作られています。

(2)も誤りです。界面活性剤には、陰イオン系、陽イオン系、非イオン系、両性系の4種類があります。

(3)も誤りです。尿石や水垢(あか)には鉄やカルシウムなどの金属塩類が多く含まれています。これらは酸性洗剤によって溶かすことができます。よって、アルカリ性洗剤ではなく、酸性洗剤を用いたほうが効果的です。

(4)は正しいです。皮膚の表面は弱酸性なので、アルカリ性の強い洗剤が皮膚にかかると中和反応が起きて、皮膚が侵されてしまいます。

(5)は誤りです。リノリウムは、歩きやすい上に耐久性に優れるのが特徴的ですが、溶剤やアルカリ性に弱いです。よって、アルカリ性洗剤を使うことはできません。

以上から、正解は(4)となります。

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