ビル管理士試験 2021年 問140 問題と解説

 問 題     

特殊設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. プールの循環ろ過の取水口には、吸い込み事故を未然に防止するための安全対策を施す。
  2. 厨(ちゅう)房機器の材質は、吸水性がなく、耐水性・耐食性を持つものとする。
  3. 水景施設への上水系統からの補給水は、必ず吐水口空間を設けて間接的に給水する。
  4. 水景施設における維持管理としては、貯水部や流水部の底部や側壁に沈殿・付着した汚泥等の除去も必要である。
  5. オーバフロー方式による浴槽循環ろ過設備の循環水は、浴槽水面より高い位置から浴槽に供給する。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

(5)で、オーバフロー方式では、浴槽からあふれ出た(オーバフローした)お湯をろ過設備に送り、その後、その循環水を浴槽の底面に近い位置から浴槽に戻すという方式です。

浴槽のお湯はレジオネラ属菌(レジオネラ症の原因菌)が繁殖しやすい温度です。そのため、浴槽で循環水を用いる場合は、誤飲やエアロゾル発生のリスクを下げることが求められます。

しかし、(5)にあるように循環水が浴槽水面より高い位置から供給されると、水が飛び散って誤飲やエアロゾル発生の危険があるため、これは不適切です。反対に、循環水を下部から入れて上部から溢れさせることにより、これらのリスクを減らすことができます。

よって、(5)の「浴槽水面より高い位置」が誤りで、ここを「浴槽の底面に近い位置」のように変えると正しい文章となります。

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