ビル管理士試験 2020年 問105 問題と解説

 問 題     

建築物の維持管理に関する略語とその内容の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

  1. BCP    事業継続計画
  2. BEMS   ビルエネルギー管理システム
  3. POE    建築物使用者の観点による性能評価システム
  4. LCC    建物の生涯にわたって必要なすべての費用
  5. CASBEE  発注者の要求品質を実現するための管理プロセス

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

(1)のBCPは、Business Continuity Planningの頭文字をとったもので、「事業継続計画」と訳されます。災害などの異常事態が発生したときに、いかに事業を復旧・継続させるかをあらかじめ考え、対策しておくことを指す言葉です。

(2)のBEMSは、Building Energy Management Systemの略で、「ビルエネルギー管理システム」と訳されます。

(3)のPOEはややマイナーな用語ですが、Post Occupancy Evaluationの頭文字をとったもので、「入居後施設評価法」などと訳されます。実際の使われ方としては、(3)にある通り、建築物使用者の観点による性能評価システムのことを指す言葉です。

(4)のLCCは、Life Cycle Costの略で、日本語でもそのまま「ライフサイクルコスト」または「生涯費用」などと呼ばれます。ものを製造するためのコストだけではなく、材料を調達するところから廃棄するところまで、トータルのコストを見積もるという考え方です。

よって、建築物に対してこの用語を使うときには、(4)にあるように「建物の生涯にわたって必要なすべての費用」となります。

(5)のCASBEEは、Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiencyの略で、対応する日本語は「建築環境総合性能評価システム」です。正式名称を覚える必要はありませんが、EがEnvironment(環境)というのは知っておくといいかもしれません。

問題文に書かれた「発注者の要求品質を実現するための管理プロセス」では「建築環境総合性能評価システム」とは意味合いが遠いため、これが不適当な組合せです。

よって、正解は(5)となります。

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