ビル管理士試験 2020年 問95 問題と解説

 問 題     

建築物の荷重あるいは構造力学に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 等分布荷重の作用する単純梁のせん断力は、梁中央で最も大きい。
  2. 積載荷重には、物品の重量が含まれる。
  3. 柱を構造計算する場合の積載荷重は、地震力を計算する場合の積載荷重より大きく設定されている。
  4. トラス構造の部材に生じる応力は、主に軸力である。
  5. 一般区域における積雪荷重は、積雪量1cmごと1m2につき20N以上として計算される。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

(1)に関して、せん断力とは、部材内の任意の面に作用して、面をずれさせるように作用する力のことです。

単純梁というのは、以下の図のように支点と支点の間に梁が横向きに渡っているような構造で、両側の支点で梁を支えています。

ここで、この単純梁に等分布荷重をかける(梁全体に同じ程度の重りを載せる)と、せん断力は梁の支持部で最も大きくなり、支持部から離れていくほど小さくなっていき、中央で最も小さくなります。

というのも、支持部では梁自身の重さを支えなくてはならない上に、荷重の負荷も掛かっているので、せん断力が大きくなります。

以上から、(1)の「梁中央で最も大きい」が誤りで、正しくは「梁中央で最も小さい」または「支持部で最も大きい」となります。

ちなみに、類題として2019年 問96では、片持支持梁のパターンが出題されています。考え方は同じなので、併せて確認しておいてください。

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