ビル管理士試験 2020年 問92 問題と解説

 問 題     

建築士法に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

  1. 決められた年限以上の構造設計の実務者には、構造設計1級建築士が付与される。
  2. 木造建築士は、木造建築物であれば延べ面積にかかわらず新築の設計をすることができる。
  3. 1級建築士でなければ設計できない建築物が、定められている。
  4. 建築設備士は、建築基準法の適合チェックが義務付けられている建築物に関与しなければならない。
  5. 工事監理とは、その者の責任において、工事を施工図と照合し確認することである。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

この問題は一見知識問題のようですが、実際には考えて解ける問題です。以下に解説を示しますが、(3)の説明文に納得できれば、その他の選択肢の解説はさらっと目を通すだけで構わないです。

(1)の前半は正しいですが、後半が誤りです。一定期間の実務をこなしたあとに登録講習を受けられるようになり、この登録講習を修了したら構造設計1級建築士が付与される仕組みとなっています。

(2)で、木造建築士は1級建築士や2級建築士の下位にあたる資格で、「2階建て以下、延べ面積300m2以下の木造建築物」を設計できます。これを超すものは1級建築士や2級建築士の資格が必要となるため、(2)も誤りです。

(3)の文章が正しいので、これが正解です。

もし全ての建築物が1級建築士でなくても(2級建築士であれば)設計できるというなら、もはや1級と2級を分ける意味がありません。よって、この選択肢は知識がなくても正しいと判断できる文章になっています。

(4)の記述の規定は、「建築設備士」ではなく「設備設計1級建築士」に対する規定です。ちなみに、ここでいう「関与」というのは、自ら設計するか、あるいは、法に適合しているか確認する行為を指しています。よって、(4)は誤りです。

(5)で、工事監理とは、その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認することをいいます。

施工図とは、設計図書を基にして工事をするのに役立つよう抜粋・加筆した図面です。工事監理者の仕事は、工事が大本の条件(設計図書)から外れていないかを確認することなので、(5)の「施工図」が誤りで、正しくは「設計図書」です。

以上から、正解は(3)となります。

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