ビル管理士試験 2020年 問67 問題と解説

 問 題     

下の図は蒸気熱源吸収冷凍機の冷凍サイクルを示したものである。図中のA、B、Cに対応する蒸気、冷水、冷却水の組合せとして、最も適当なものは次のうちどれか。

  • 蒸気 冷水 冷却水
  1.   A  B  C
  2.   B  A  C
  3.   B  C  A
  4.   C  A  B
  5.   C  B  A

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

図の右上から見ていくと、まず凝縮器があります。ここでは再生器で発生した水蒸気を凝縮して蒸発器に戻す役割をします。よって、水蒸気を水に凝縮するために冷却水が必要となるので、図の最も上部にある管を流れるのは「冷却水」です(この管はAでもBでもCでもありませんが…)。

続いて右下は、蒸発器です。蒸発器内は真空に近い状態になっているので、この中の冷媒は容易に蒸発します。

蒸発するときには周囲の熱を吸収するので(気化熱)、Bの管を流れる水は蒸発器を通る際に熱を奪われて冷水として出ていきます。この冷水は空気を冷やすのに使われて、ぬるい水となってBの管の入口へ戻ってきます。よって、Bは「冷水」です。

一方、蒸発器内で水蒸気となった冷媒は、気体の状態で蒸発器の左側へと流れていきます。

蒸発器の左側(冷凍機全体でいうと左下)にあるのが、吸収器です。ここでは蒸発した冷媒(=水蒸気)を吸収液に吸収させ、ポンプによって再生器に送り込みます。また、吸収器で使われるのも図の上側にある凝縮器と同じく「冷却水」です。水蒸気を吸収液に吸収させるには、まず凝縮させて液化したほうが効率的なので、冷却水が必要となります。よって、Aは「冷却水」です。

最後は左上の再生器です。ここでは薄くなった吸収液を加熱し、水蒸気を飛ばすことで吸収液を濃縮します。濃くなった吸収液は吸収器に戻され、飛んだ水蒸気は凝縮器へといきます。加熱に用いるのは蒸気です。そのため、Cは「蒸気」となります。

以上から、正解は(5)です。

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