ビル管理士試験 2020年 問66 問題と解説

　問 題　　　　　

蓄熱槽を用いた蓄熱システムに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1. 負荷の大きな変動に対応できる。
2. 熱源機器の容量が大きくなる。
3. 開放式の水槽の場合、より大きなポンプ能力が必要となる。
4. 熱源を定格で運転できる。
5. 氷蓄熱では冷凍機の効率が低下する。

　解 説　　　　　

(2)の記述は反対であり、蓄熱システムがあると熱源機器の容量は小さくすることができます。

というのも、もし蓄熱できない場合には、1日のうちのピーク時間帯に合わせた能力の熱源機器を用意する必要があります。

しかし、蓄熱システムがあれば、余裕のある時間帯に熱を溜めておいて、それをピーク時間帯に消費することにより、ピーク時間帯に作る熱の量を減らすことができます。そのため、蓄熱システムがあれば熱源機器の容量を小さくすることが可能です。

熱源機器の容量を小さくすることは設備投資の面でもランニングコストの面でもメリットとなるので、蓄熱システムを導入するコストとの兼ね合いはありますが、最近はこれを採用しているビルが増えてきています。