公務員試験 H30年 国家専門職(食品衛生監視員) No.2食品化学Ⅰ(1)解説

 問 題     

タンパク質を構成しない主なアミノ酸及びアミノ酸誘導体とその説明の組合せ ①~⑤ について,妥当なものには ○ を,妥当でないものには × をそれぞれ記せ。

/アミノ酸等説明
オルニチン尿素回路におけるアルギニン生合成の中間体
クレアチン尿素回路におけるアルギニン代謝の中間体
β ーアラニン天然に存在する唯一の β 型アミノ酸
γーアミノ酪酸抑制性神経伝達物質
アリインにんにく臭の前駆物質

 

 

 

 

 

 解 説     

①は妥当な組み合わせと思われます。
尿素回路では、まずアンモニアから合成されたカルバモイルリン酸オルニチンと反応してシトルリンとなります。「オルニチン+カルバモイルリン酸→シトルリン」です。シトルリンがさらに中間体を経てアルギニンとなります。「シトルリン→・・・→アルギニン」です。そして、アルギニンがアルギナーゼによって尿素とオルニチンに分解されます。「アルギニン→オルニチン+尿素」です。

②ですが
クレアチンは筋肉におけるエネルギー貯蔵を担う有機酸の一種です。尿素回路における中間体ではありません。よって②は妥当な組み合わせではありません。

③ですが
βーアラニンは、カルボキシル基から見てβ位にアミノ基がある、αーアラニンの構造異性体です。αーアラニンと違い、不斉炭素を有しません。「天然に存在する唯一の」は言い過ぎで、妥当でないと考えられます。

④は、妥当な組み合わせです。
GABAです。

⑤は、妥当な組み合わせです。
アリインが、臭いのあるアリシンの前駆物質です。

以上より
①◯、②☓、③☓、④◯、⑤◯ と考えられます。

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