問 題
Ⅲ
⑴ 質量分析法に関する記述①,②,③のうち,妥当なもののみを全て選んでその番号を記せ。
① 分子量を測定することができる。
② 高分解能マススペクトルでは分子の元素組成を明らかにすることができる。
③ SIM 測定は,全成分から生成したイオンを測定する方法であり,クロマトグラムの各ピークのマススペクトルを得ることができる。
⑵ 植物等の有機物試料中に含まれる金属元素を分析する場合,有機物マトリックスを除去する必要がある。その方法には乾式灰化と湿式分解がある。それぞれの方法を簡潔に説明せよ。
解 説
(1)
①は、妥当な記述です。
分子量を測定することができます。
②は、妥当な記述です。
高分解能であれば非常に細かい原子量の違いまでわかるため、元素組成を明らかにすることができます。
③ですが
SIMとは Secondary Ion Mass の略です。試料表面に一次イオンを照射→様々な粒子が放出される→放出されるイオン(二次イオン)を検出して試料中の成分を分析する という手法です。破壊分析の一種です。「クロマトグラムの各ピークのマススペクトルを得る」ことはできないと考えられます。
妥当なものは ①、②です。
(2)
有機物の分解を目的に行われるのが、灰化法です。試料を酸化させます。乾式灰化とは、「空気中で燃焼させる方法」です。湿式灰化とは、「過塩素酸等を用いて酸化させる方法」です。
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