公務員試験 H30年 国家専門職(食品衛生監視員) No.1分析化学Ⅱ(1)解説

 問 題     

吸光分析に関する以下の問いに答えよ。

⑴ 紫外可視分光法に関する次の記述のⒶ~Ⓘに当てはまるものを語群から選び出し,それぞれの番号を記せ。

「紫外可視光の波長は200 nm~ Ⓐ nm の範囲にあり,この範囲のエネルギーは電子準位のエネルギー差と同程度であるため,紫外線又は可視光線を物質に照射すると,物質は,光を吸収し,エネルギー状態の最も低いⒷ 状態から,よりエネルギー状態の高いⒸ 状態にⒹ する。

紫外可視分光光度計では,光源から発せられた紫外可視光を,試料の入ったセルに通過させ,その光量を検出器で測定する。光源の光は連続した波長成分を含むため,回折格子又はプリズムにより分光し,スリットに通すことで,測定に必要な単波長の光を取り出す。この装置をⒺ という。検出器にはⒻ が広く用いられ,検出器に入った光は電流として信号が取り出される。

紫外可視分光法によるⒼ では,目的化合物の紫外可視スペクトルを測定し,Ⓗ と吸収係数を求め,既存のデータベースなどと比較し同定する。Ⓘ では,まず目的化合物を既知量含む試料について一定波長( Ⓗ であることが多い)で紫外可視吸収を測定して吸光度を求め,検量線を描く。次に測定したい試料の吸光度から,濃度を求める。」

<語群>
①蛍光波長,②吸収極大波長,③イメージングプレート,④光電子増倍管,⑤励起,⑥遷移,⑦基底,⑧モノクロメーター,⑨ゴニオメーター,⑩定性分析,⑪定量分析,⑫350,⑬700

 

 

 

 

 

 解 説     

紫外→100~400、可視→400~750 程度 等と言われます。語群をふまえて考えれば、紫外可視光の波長は 200~「700」 nm と考えられます。 エネルギー状態の最も低い状態は「基底状態」です。紫外線を吸収すると「励起状態」「遷移」します。

紫外可視分光光度計において、分光計を別名「モノクロメーター」と呼びます。検出器には「光電子増倍管」などが用いられます。

定性分析では、吸収極大波長、吸収係数などから物質を同定します。定量分析では、既知量含む試料を用いて、一定波長で紫外可視吸収を測定して吸光度を求め、検量線を描きます。

ちなみに、イメージングプレートは X 線計測器で、感度がとてもよいものです。ゴニオメーターは測角器とも呼ばれます。X 線回折装置の本体部分です。

以上より
A 700 ⑬
B  基底 ⑦
C 励起 ⑤
D 遷移 ⑥
E モノクロメーター ⑧
F 光電子増倍管 ④
G 定性分析 ⑩
H 吸収極大波長 ②
I 定量分析 ⑪ です。

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