公務員試験 H30年 国家一般職(農学) No.33 解説

 問 題     

植物ホルモンの説明に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.オーキシンは、最初に植物ホルモンとして認められたもので、代表的な作用は植物の成長抑制である。天然オーキシンである IAA は、化学的に安定で、除草剤として活用されることがある。

2.サイトカイニンは、植物の細胞分裂を促進する活性を示すほか、側芽の活性化、老化抑制作用などが知られている。また、植物の組織培養によるクローン増殖の際に成長調節物質として利用されている。

3.アブシシン酸は、植物の成長を促進させるという意味から名付けられた物質である。また、乾燥などのストレスを受けたときに、植物体内のアブシシン酸濃度は低下する。

4.ジベレリンが最初に発見されたのはタケノコの抽出液からである。また、農業生産の現場では、種なしブドウ (デラウエア種) を生産するため、ブドウの木にジベレリンが散布されている。

5.エチレンは、ガス灯周辺の街路樹が早く落葉する原因物質として発見され、19 世紀に植物ホルモンとして認められたもので、植物の生体内で生合成されない唯一の植物ホルモンである。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが
オーキシンの代表的な作用は、植物の成長 (伸長成長) を促す作用です。植物の「成長抑制」ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
サイトカイニンについての記述です。

選択肢 3 ですが
アブシシン酸は、落葉や休眠を促進します。「植物の成長を促進」ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
ジベレリンは、イネのバカ苗病菌から分離された植物ホルモンです。「最初に発見されたのはタケノコの抽出液から」ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
エチレンは植物の生体内で生合成されます。「植物の生体内で生合成されない・・・植物ホルモン」ではありません。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 2 です。

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