公務員試験 H30年 国家一般職(農学) No.29 解説

 問 題     

昆虫の発生及び休眠に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.昆虫の卵割の型は盤割であり、卵割によって形成された多数の細胞は、内胚葉、外胚葉、中胚葉に分化する。外胚葉からは皮膚が形成され、内胚葉からは神経が形成される。

2.不完全変態昆虫は、幼虫から成虫になるまでに蛹という発育段階を経る。蛹になる前の最終齢幼虫になると、血中の幼若ホルモンの量が増える。

3.成虫休眠する昆虫として、ニカメイガが挙げられる。成虫休眠は絶対休眠とも呼ばれ、不適環境がなくても誘導される。

4.蛹休眠する昆虫として、ヨトウガが挙げられる。蛹休眠では、アラタ体刺激ホルモンの分泌によりエクジステロイドの生産が抑制され、成虫発育が促進される。

5.卵休眠する昆虫として、カイコが挙げられる。カイコでは、日長、温度等の環境条件を受けた親個体が分泌する休眠ホルモンにより卵休眠が誘導される。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

選択肢 1 ですが
昆虫類の卵は、卵黄の量が多く、中央に分布してます。卵割形式は「表割」です。盤割ではありません。選択肢 1 は誤りです。ちなみに、外胚葉から皮膚及び神経が形成されます。

選択肢 2 ですが
不完全変態昆虫は、蛹を経ません。また、蛹を経る完全変態昆虫は、蛹になる前の最終齢幼虫になると、幼若ホルモンは減少します。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
ニカメイガは幼虫の状態で休眠します。成虫休眠ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
エクジステロイドは脱皮ホルモンとも呼ばれる、脱皮を促進するホルモンです。「エクジステロイドの生産が抑制」されたのであれば、蛹から脱皮により成虫となる流れが「抑制」されると考えられます。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
カイコの卵休眠に関する記述です。


以上より、正解は 5 です。

コメント