問 題
作物の子実に含まれる成分と利用に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1.グルテンは、コムギに含まれる炭水化物であり、小麦粉に含まれるグルテンの量などによって、強力粉、中力粉、薄力粉に分けられる。パン用の小麦粉には、薄力粉が用いられる。
2.ソバには、血管強化作用や抗酸化作用があるポリフェノールの一種であるリシンが豊富に含まれている。また、ソバの種皮は褐色又は黒色で硬く、そば殻ともいわれ、枕などの詰め物に利用されている。
3.ダイズに含まれる脂質は、不飽和脂肪酸に富んでおり、中でもリノール酸の含有率が高い。また、ダイズはフラボノイドの一種であるイソフラボンを多く含むことなどから、人の健康維持に有効な機能性食品として注目されている。
4.コメのデンプンは、主にアミロースとアミロペクチンから成り、いずれもブドウ糖がつながったものである。アミロースは枝分かれ構造を、また、アミロペクチンは直鎖状構造をしている。コシヒカリに代表される良食味品種は、アミロース含量が高い傾向にある。
5.ラッカセイは、製油用には脂肪含量の多い大粒種が、いり豆用には風味の良い小粒種が適している。また、ラッカセイに多く含まれるエルシン酸は、多量に摂取すると心筋障害を起こす可能性があるため、現在ではエルシン酸を含まない品種が育成されている。
解 説
選択肢 1 ですが
グルテンはタンパク質の一種です。コムギに含まれる「炭水化物」ではありません。選択肢 1 は誤りです。
ちなみに
グルテンの量により強力粉、中力粉、薄力粉に分けられるという記述は妥当です。また、パン用の小麦粉には主に「強力粉」が用いられます。
選択肢 2 ですが
リシンは「アミノ酸」の一種です。ソバに含まれるポリフェノールの一種は「ルチン」です。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当です。
ダイズについての記述です。
選択肢 4 ですが
アミロースが直鎖状構造、アミロペクチンが枝分かれ構造です。また、食味が良い品種の特徴は、玄米のアミロースやタンパク質含量が少ない、Mg/K 比が高いなどです。「アミロースが高い傾向」ではありません。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
多量に摂取すると心筋障害を起こす可能性があるエルシン酸を、多く含んでいたのは「ナタネ」です。ラッカセイではありません。ナタネについて、現在ではエルシン酸を含まない品種が育成されている、という記述は妥当です。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 3 です。

コメント